
Raspberry PiとミニPCの消費電力を比較してみました
はじめに
5年前にラズパイ(Raspberry Pi 4 Model B 4GB)でNASを作成してから、現在まで常時稼働させ続けていますが、1,2年前くらいから夏に室温が高い状況が続くと異音が発生するようになってきました。今年は何とか大丈夫かな?と思っていますが来年は故障しているかもしれないです。
故障したら次はRaspberry Pi 5を購入するかなとぼんやり考えていましたが、 Raspberry Pi 4は当時6000円台で購入出来ましたが、Raspberry Pi 5は店によって多少値段は前後しますが、だいたい以下のような感じで、同じ4GBモデルでも2倍近く値上がりしています。(2025/8現在)
モデル | 価格 |
---|---|
Raspberry Pi 5 4GB | 11,000円前後 |
Raspberry Pi 5 8GB | 15,000円前後 |
Raspberry Pi 5 16GB | 22,500円前後 |
ラズパイにセンサー類を取り付けて何かやりたいなどの目的があれば話は別ですが、私の場合Raspberry Pi Zero WHも所持しており、センサーを取り付けるなどの用途はこちらを使用出来ます。
そのため、NASの用途だけであれば、ここ数年価格が下がってきており、安いモデルであれば1万円台で購入可能なミニPCでも良いのかなと考えていました。
はじめに その2
話は変わりますが、Windows 10のサポートが2025年10月14日に終了します。私が2012年に自作したPC(当時はWindows 7でした)を何故か今でも実家の母親が使用し続けており、次に帰省するタイミングで新しくしようと考えています。
※1年間サポートを延長する方法も発表されていますが、そもそも古すぎるのでちょうど良いタイミングかなと思い新しくすることにしました。
実家のPCはリビングに置かれているので、可能な限り小型なPCケースを使用して自作していますが、今ならより小型のミニPCを安価で購入できます。
(自作PC好きとしては今回も自作したかったのですが、マザーボードの規格的に市販されているミニPCより小さいサイズのケースでの自作が難しいため断念…)
多分また10年近く使用されそうな予感がするので、流石に1万円台の格安PCではなく、約45,000円のそこそこの性能のPC(GMKtec NucBox M7)を先月のAmazonプライムデーセールで購入。
ふと、ミニPCをNASとして利用した場合とラズパイをNASとして利用した場合で、電気代にどれくらい差があるのかな?と思い、実家に帰省するまでは手元にミニPCがあるため、今回、Raspberry Pi 4 Model B 4GBとミニPCで消費電力を比較してみました。
参考リンク
- TrueNAS
- Rufus
- TrueNAS SCALE のインストール用USBメモリを作成する
- SwitchBot プラグミニ
- 1kWhあたりの電気代はいくら?電気代の内訳や節電方法を解説
- プラグミニがコンセント差し込み口に刺さりません、どうしたらいいでしょうか。
ミニPCにTrueNAS(旧 FreeNAS)をインストール
ラズパイにはNAS用のOSとして公式でサポートされているOpenMediaVault(OMV)をインストールしているので、条件をそろえるならOMVをインストールするべきですが、同じものをインストールしてもつまらないしなという理由で今回はTrueNASをインストールすることにしました。
分解してTrueNASインストール用にM.2 SSDを別のものに入れ替え。
TrueNAS公式サイトからISOファイルをダウンロードしてRufusを使用してUSBメモリに書き込み。
その後、ミニPCにインストールしようとしたのですがUSBメモリからの起動時にエラーになりインストーラが立ち上がりませんでした。
調べてみたところISOイメージモードではなくDDイメージモードで書き込む必要があるらしく、USBメモリ書き込みからやり直したところ、今度は正常に起動しインストール作業を進めることが出来ました。
消費電力を測定
今回は消費電力の測定にSwitchBot プラグミニを使用しました。
本当は1ヶ月程度測定したかったのですが、ミニPCを購入したのが先月のAmazonプライムデーセールのタイミングだったため、8/1から半月ほど測定
Raspberry Pi 4 Model B 4GBの消費電力
Raspberry Pi 4は1日辺り0.05kWhの電力を消費しており、1ヶ月辺り約1.5kWh程度消費することになるみたいです。
※この画面を開いた当日分は集計が完了していないため、17日だけガクッと下がっています
ミニPC(GMKtec NucBox M7)の消費電力
一方、ミニPC(GMKtec NucBox M7)の方は消費電力に多少バラツキがあるようでしたが、1日辺り約0.23kWhの電力を消費しており、1ヶ月辺り約7kWh程度消費することになるみたいです。
※この画面を開いた当日分は集計が完了していないため、17日だけガクッと下がっています
1ヶ月辺りの電気代を計算
適当にいくつかのサイトを確認してみましたが、1kWhあたりの電気代は約31円で計算しているサイトが多いみたいでした。
そのため、Raspberry Pi 4の電気代は月に約46円、ミニPC(GMKtec NucBox M7)の電気代は月に約217円といったところでしょうか。
おわりに
上記の測定結果を参考にすると、1ヶ月程度だとそこまで電気代に差は感じませんが、数年単位だとそこそこの差になってきます。
ただ、Raspberry Pi 5で測定した訳ではないですし、PCによっても消費電力は全然違うので、あくまでも参考程度にしかならないですが、自宅に簡易的なNASを用意しようとしていて電気代が気になる人はPCよりRaspberry Piを使用した方が良いかもしれないです。
おまけ1:SwitchBot プラグミニについて
極性プラグについて
写真だと分かりにくいかもしれないですが、SwitchBot公式サイトの「プラグミニがコンセント差し込み口に刺さりません、どうしたらいいでしょうか。 」にも記載がある通り、SwitchBotプラグミニは極性プラグを採用しており、極性プラグ未対応の電源タップを使用している場合刺さりません。
その場合は極性プラグ対応の延長コードを間に挟むことで一般的な電源タップに接続可能です。
※写真の極性プラグ対応延長コードはこちら
スケジューリングについて
SwitchBot プラグミニの用途として、よく電気スタンドのオンとオフなどが挙げられていますが、無線LANルータの再起動などにも使えます。
無線LANルータは定期的に再起動したほうが良いという話はよく聞きますが、手間ですし実際にやっている人はあまりいないと思います。ルータの管理画面から再起動のスケジュール設定が出来れば良いのですが、BUFFALO(AirStation)、NEC(Aterm)、ELECOMの無線LANルータでは管理画面で再起動のスケジュール設定は出来無さそうでした。
※NECとELECOMの無線LANルータは古い製品を引っ張り出してきて管理画面を確認したので、最新の製品だと違うかもしれないです。
※ELECOMのルータは再起動のメニュー自体ありませんでした。
SwitchBot プラグミニを使用すれば週に1回電源のON/OFFなどの設定も可能です。
※個人的には、週に1回はやりすぎな気もするので、月に1回の設定があれば良かったのですが…
おまけ2:ミニPCのWindowsライセンスについて
最近はあまり聞かなくなりましたが、去年くらいに一部のメーカーの格安のミニPCを購入したら、インストールされているWindowsで個人利用不可のボリュームライセンス(VL)が使用されていてライセンス違反といった話題を何度か目にしました。
コマンドプロンプトを立ち上げ、以下のコマンドを実行すると上の画像のようにライセンス情報が表示されます。
slmgr /dli
2行目の説明の部分に「OEM」の記載があれば問題ありません。「VOLUME」の記載があればボリュームライセンスが使用されています。
その場合は、返品する、正規ライセンスに変更するといった手続きが必要になりそうです。