
EVM スケジュール管理ノススメ
はじめに
なんやかんやで年取って、日々の仕事はコーディングやテストより
設計やスケジュール管理などがメインになってきた、松村です。
今回は弊社で、プロジェクト管理に使っているEVMに関してのご紹介です。
EVMとは?
アーンドバリューマネジメント (Earned Value Management)」の略称です。
進捗状況とコストパフォーマンスを、計画値と実績値で比較分析することで、プロジェクトを評価する手法です。
PV「Planned Value」
いわゆる見積計画値です。これをベースとして指標を図ります。
基本的には3ヶ月で300万みたいなプロジェクトがあったら、1ヶ月経ったら100万くらいできてるよね?が基準になります。
理想というか予定値ですね。
EV「Earned Value」
これはいわゆる実績値、です。どれだけ終わったんでしたっけ?というところです
作業が終わった分です。PV3の作業が終わり,PV4の仕事が半分終わりましたーみたいなケースはEVは5ということになります。
AC「Actual Cost」
どんだけ時間使ったんでしたっけ?というところになります。
つまり、PVが3の作業が3日間の予定でしたが2日で終わりましたーみたいなケースはACは2ということになります。
ここまでは いわゆる計測値になります。
EVMでスケジュール管理する
上記の計測値でわかる値がこれらになります。
SV「Schedule Variance」
EV-PV=SV です。
つまり予定に対してどれだけ進んでるかってところです。
現時点での合計で計算するので
EVの方がデカい=予定より多く終わってる、進捗が進んでいるってころですね
SPI「スケジュール効率指数」
EV/PV=SPI
ほぼSVと同じですが、何%すすんでます?遅れてます?になります。
なので、1より大きければ順調、小さければ現時点で問題が発生していると思われますので
スケジュールの調整とかアサインとか何かしら対策が必要です
CPI「コスト効率指数」
EV/AC=CPI
意外と、というか一番大事なのがこれ。
コストつまり赤字なのか黒字なのかという指標になります。
これも同様に1を超えてれば儲かってますし、超えてなければ対策を練らないとダメです。
私の所感
と、まぁここまで長々と書いてきましたが本題はここからです。
実際にやって大変なことを書いていきます。
見積
最初に、全体の作業を羅列してそれぞれに見積工数を割り当てていきます。
ここの正確性がないとPVが違うということになりますので、計画に大きく支障をきたします。
ただ、もうこれは最初に全てを記載するとか不可能だと思います。
予想だにしない作業や、想定していなかった仕様、不具合等々予測できないことは多々発生します。
ただその際にもちゃんと作業としてとらえてEVを計測することが大事です。
こういった不慮の作業に関しては、極力PVを当てないようにしましょう。
見積にはなかった作業ですからね。
計測
EV、ACに関しても毎日の計測が必要です。週次とかでもいいんでしょうが。
これは自分だけでなく、チーム全員がちゃんと計測してないとプロジェクト計画自体に影響を及ぼしてしまうので徹底させましょう。
どんな作業をやって、進捗率はどれくらい終わってて、何時間働いたんだっけ?
というところですね。よくあるのが、前日の作業入れ忘れてたのでさっき付けました。とか漏れとか忘れです。
ある程度の許容は必要ですが毎日記録するよう心掛けましょう。
予測と対処
せっかく計測してるのだから、それを見てアクションを起こすのが大事です。
プラスになってるんだったら他の仕事もできそうだなーとか、マイナスになってるんだったら
スケジュール調整したり、別の人とタスクを入れ替えたりといったことを積極的に行って、毎日安心して寝ましょうw
ただ一つ注意することとしてはプロジェクト開始当初は、業務理解や技術差異が大きかったり
進みが悪かったりすることもあります。
実際にEVやSVの数値に囚われるのではなく、自分で感じるプロジェクトの肌勘ってのも大事だと思います。
振り返り
当然ですが、全然うまくいかないです。
見積が甘かったといってしまえばそこまでですが、何が原因だったのか?どこがダメだったのか?
はちゃんと検討していかないと先には進みません。
人生 Try&Errorです。
おわりに
いかがでしたでしょうか?
進捗管理って大変ですよね。私みたいな人間は毎日記録するの面倒くさいですし、測定するのも大変だし
見積や成果検証とかもありますので、なかなか苦労しています。
ただ、それがプロジェクトマネージャーだと思いますので、進捗管理、プロジェクト全体の把握はしなければならないことです。
もし、そういったところで同じような苦労をされてる方にとって
こういった手法もあるんだなー、やってみようかなと思えれば幸いです。