OutSystemsを使ってみた感想
ローコード開発ツールであるOutSystemsを実際に使用してみた経験をもとに、良かった点と不便だった点をまとめました。シンプルなアプリ開発には非常に有用でしたが、多人数での開発にはいくつかの課題も見えてきました。
良かった点
画面作成が簡単
シンプルな画面(マスタメンテナンス系)の開発が素早くでき、データの取得・一覧表示、編集機能も容易に実装できる。UIコンポーネントも豊富で、レイアウト調整も直感的である。
開発環境構築がスムーズ
すぐに開発環境を立ち上げられる。クラウドベースであるため、個別にローカル環境を整える必要がなく、すぐに開発を始めることができる。
開発の敷居が低い
基本的なプログラミング知識があれば、開発経験が浅くてもある程度のアプリケーション開発は可能。ただし、全くの初心者には難しく感じるかもしれない。
不便だった点
多人数での開発に不向き
OutSystemsはクラウドベースで開発を行うため、ローカル環境がない。全員が共通の開発サーバーを利用することになるため、例えば簡単な修正でもビルド(Publish)をしなければならず、ビルド時間がかかる。また、サーバーが稼働していないと開発作業ができない。
ビルドエラーや競合の影響が大きい
ビルドエラーが発生すると、開発メンバー全員が影響を受け、開発が一時停止する。さらに、複数人が同時に作業すると競合が発生し、マージが難しくなる。
バージョン管理が難しい
ブランチの概念がないため、並行開発がやりにくい。全員が最新の状態にコミットする形になるため、誰が何を修正したか把握しにくく、Publish時のコメント記入機能もない。
日本語のサポートが不足している
ドキュメントの大部分が英語で、日本語のリソースが少ない。そのため、解決策を調べる際に、英語のドキュメントを翻訳する手間が発生する。
複雑なシステムには不向き
複雑な処理や画面を実装する際、ロジックやUIが煩雑になりやすい。シンプルな画面では威力を発揮するが、柔軟で高度な動作を要求するプロジェクトでは限界を感じることがある。
総評
OutSystemsは、少人数で開発する中規模以下のシステムに非常に向いている。しかし、複雑なシステムや多人数での開発には向いていないため、大規模なプロジェクトには別のアプローチが必要かもしれない。また、オブジェクト指向プログラミングに慣れている開発者には、少し物足りなさを感じる点があるかもしれない。