RSGT2025:苦しかったRSGT2024からの転換

遅くなりましたが、Regional Scrum Gathering Tokyo 2025のスタッフ業をしてきたので
そのレポートをつづりたいと思います。
やや長いので、読みたい見出しに飛んで読んでください。

なぜこんなに遅くなったか

どこからもらってきたか定かではありませんが、インフルエンザにかかっていました。
RSGTの翌日1/11(土)は吐き気がすごくて1日中寝ていて、
その次の日1/12(日)は38.6度の高熱で1日中寝ていて、
その次の日1/13(月)は落ち着いたものの身体が重かったです。
子も体調不良だったので1/14(火)は看護で動けず、
1/15(水)にやっと仕事ができて、いつもどおりスタンディングで朝会していたら
貧血になってしまい、病院に行ったらインフルエンザ陽性でした。
たまっていた仕事もしていたらこんなに遅くなってしまいました。

RSGT2025スタッフ業の所感を最初に言う

今年も楽しかった。今年も参加できてよかった。

どれだけ楽しいイベントだったか、というのは他の人のエントリにお任せすることにするので、この記事ではわたしがこの1年間抱えていた葛藤と、それが今年払拭されたのよ、ということを書きます。

RSGT2024は辛かった

RSGT実行委員歴は10年を超えていますが、途中で自身の妊娠・出産があり、
RSGT2023、RSGT2024はオンラインで参加でした。

RSGT2023は他にも2人オンライン参加のスタッフがいて、
3人でわちゃわちゃしながら楽しめていました。
RSGT2024も誰かいるだろう、と思ったらわたし1人しかオンライン参加のスタッフはおらず、
とにもかくにも孤独感がハンパなかったです。

一体感を作ってくれるスタッフと物理的に一体になれない疎外感

RSGTスタッフはイベントの3日間、トランシーバー(通称シーバー)でやりとりします。
オンライン参加のわたしもRSGT2023、RSGT2024は郵送で受け取り、やりとりに加わっていました。
(北海道から沖縄まで、どこにいても音声でつないでくれるトランシーバーってすごい)

スタッフTシャツ、カンファレンスバッグ、ステッカー、ストラップなどなど一式も郵送してくれ、
前日準備のスタッフ顔合わせや当日朝のミーティングなどにも
全員の顔が見えるようにZoomでつないでくれ、
集合写真にもiPadで一緒に写り込ませてくれました。
(RSGT2023では、縁の木さんセットまで贈ってくれたので涙が出そうでした)

会場であるソラシティはRSGT2022以前には現地スタッフしていたので、
シーバーで話されることは手に取るように全てわかるのですが、
自分はそこにいないので何もできない感が積もりに積もっていきました。

で、ヤキモキしてもしょうがないので、
「現地で走り回るのは現地に任せる!
わたしはオンラインでできることをやるから任せて!」
と、誰にも頼まれてないのに勝手に気負ってしまったのがアダになりました。

自分で自分を追い詰めた内訳

1時間ごとの通訳MTG、
登壇者や業者さんからメールが来てないかチェック、
Discordにヘルプが来てないかチェック、
Zoomの音声、通訳切り替え、映像、手話通訳チェック、・・・

デスクの前にいるので身体的には疲労ないけど、
精神的にめちゃくちゃ疲労しました。

一番割合が高かった通訳MTGはもちろん英語で聞いたり話したりが主なので、
英語自体には抵抗ないのですがやはり脳みそが疲れます。
MTGとMTGの合間には30分や1時間などスキマがあるのですが、

「息抜きしたいけどチャイ作ってたらそれだけで終わるな」
「ドーナツ食べたいけどコンビニに出たらそれだけで終わるな」

など、これも10分前には次のMTGに入っていたい性格のわたしにはなかなかできず、
癒しも補給されないまま、ずっと緊張状態でデスクに張り付いてしまっていました。

そしてシーバーやDiscordで現地の楽しそうな様子がとめどなく流れてきて、
一緒のイベントに参加しているのにまるでパラレルワールドにいるような、
ずっと平行線で直接には決して交わらないような、
置いていかれている感、ポツン感がじわじわ募っていきました。

たまらずDiscordにつぶやき

1日目の終わりにはどっと疲れ、Discordのスタッフチャンネルに吐き出しました。

Misa Takeba — 2024/01/10 15:55
今日これで上がりますー
みなさんの様子があんまりわからず、結構疲れちゃいました。
身体的には元気なのですが、明日もうちょっと休憩しようと思います。
よろしくお願いしますー

そして翌日、2日目の朝にずずい、っと出てきてくれたのが旧知のスタッフ。
すごく救われたのがこの質問です。

「何かしてほしいことありますか?」

わたしだったら多分、「大丈夫ですか?」とか、
「何か手伝いますか?」と聞いちゃってたと思います。

それが、わたしが勝手に背負った大きな荷物を持つのはもう大前提な、
そんな質問を投げかけてくれて、
あ、と瞬時に緊張が解けて、ものすごく素直に、

「通訳ミーティングを休憩したいです、
交代でやってほしいです」

と言えました。
それからは肩の荷が本当に降りて、
スッキリした気持ちでオンラインスタッフができました。

Ncah dem RSGT ist vor dem RSGT

さて当日3日間を無事に終えましたが、RSGTは続きます。
ドイツ語の格言(?)に、Nach dem Karneval ist vor dem Karnevalというのがあります。
これは英語でいうとAfter the Carnival is before the Carnivalで、
カーニバルの後とはカーニバルの前、
つまりみんな楽しみにしてたカーニバルが終わったら次のカーニバル準備だね!という意味です。

RSGTもまさにこれだなと思っており、
RSGTが終わったらというかもはややや並行して翌年のRSGTの準備が始まります。
みんな本業があるなかで週末に都合をあわせて集まります。

Scrum Allianceへの各種事務処理、
スポンサー資料の作成と公開、申し込み受付処理、
基調講演者の検討と打診、
公募セッションのスケジュール検討、採択、
Webサイトの更新や公開、
チケット販売スケジュールの検討、
各種通訳者の手配、
配信班との調整、
お弁当の発注、
コーヒーの発注、
ノベルティのデザインと発注、
都度の採算確認、
登壇者やスポンサーへの連絡、
海外講演者との事務処理、
通訳資料の収集と連携、
ボランティアスタッフ募集の周知、決定、連絡、
DiscordやZoomの準備、
オープニング資料の作成、貼りものの作成、
文房具の手配などなどなどなどなどなどなどなどなどな。

しかしながら絶賛小さい子を育てているわたしは週末というと都合がつきにくく、

 

 

 

ったく参加できませんでした。

facebookでミーティングの招待がくるたびに、「No」を選択し、
お任せします、よろしくです、ありがとうございます!と思うときもあれば、
あぁ今回も参加できない、、、と思うときもあれば、
このまま1回も準備に関われなったら申し訳ない・・・と思うときもあれば、
ていうかもうムリだ、当日がんばるんで!と思うときもあれば、
うわ、ホントになんもできなかった。みんな忙しいのに、、、と思うときもあれば、
当日だけなのに実行委員て言っていいのかな?と思うときもあり、
前日には、

「RSGT2025が終わったらRSGT2026は休みます宣言しよう」

と決めました。

迎えたRSGT2025当日

子を保育園に送っていくので、スタッフ8:00集合がまず間に合わない。
前日準備も行けてないから自己紹介できてないしみんなの顔名前もわからない。
初日もきっとみんなでオー!ってするのに行けない。

が、当日ともなると、
もうしょうがないからいいや!なんとかなるっしょ!これでいいの、いいの!
と思えました。

9:00から担当する通訳MTGも間に合うか怪しいので、先行して他の人にお願いしました。
快諾してくれたスタッフ仲間。とてもありがたかったです。

到着してからは動き回りました。
会場にいられるのが嬉しすぎて動きすぎてしまいました。
どれだけ楽しんでいても疲れるは疲れるのを知っているので、
まわりのスタッフには、「休んでね!」というのを積極的に声掛けしていました。

わたし自身、1日目はこうしてはしゃぎすぎてしまったので、
2日目以降はゆっくりめに動いていました。

ひとりから2人へ

冒頭に記載のとおり、RSGTはこれで10回目の実行委員となりますが、
前職でも現職でもアジャイルとの関連を出しにくく、
弊社に持って帰れるものに毎年悩んでいましたが、
今年はアジャイルな新規コースリリースもあり、
同僚のSteve Aoki(写真左)も認定スクラムマスターも取得し(社内で2人目)、
社内でも社外でもだいぶ話しやすくなりました。

この同僚も参加者としてRSGT2025に参加してくれたことにより
その場であーだこーだ知見・経験を共有できたし、
アジャイルコミュニティの仲間にも紹介できたりと、
2人で参加することでカサレアルという会社の認知度も少し上がったかなと思います。

あとは今年度にカサレアルが出展してきた他のイベントと比較しての観察ができたのがよかったし、
お付き合いのあるお客さんやパートナーの方にも直接会えたし、
“we’re hiring”のボードにわたしの名刺を貼れたのがよかったです。

雑談大事

3年ぶりの現地参加だからか、今年はなんだかとってもそう思いました。
「あぁ、こんにちは〜!」って誰かに会うたびに挨拶を交わせるのって、
なんかめちゃくちゃいいな、と心から思いました。

長い間会ってなくても、オンラインでしか面識がない人でも、
直接ひとこと交わすだけで全部取り戻せる感じがしました。

メールやDiscordやZoomでわざわざ「そいえばー」は言いにくいのですが、
ホントささいなことを聞けたり、取り止めのない話をしたり、楽しかったです。

自分が誰かと話しているのもそうですが、
受付に座ってホワイエでみんながそこかしこでワイワイガヤガヤしてる姿をみて、
言葉が出てこないくらい幸せでした。

昔は
「この場を作るのにわたしも関わってるんだなぁ」
なんてややフフンと思っていたのですが、
今はもうそんなこと思わず、ただただ
「みんな、よかったね!」
って気持ちです。
おかげで、あぁわたしまだここにいたい、と思えました。

RSGT2026も楽しみだ

今年、現地に戻ってきて至った結論です。
RSGT2023、RSGT2024のオンライン参加があってこその想いだし、
RSGT2025は現地参加できたからこその想いです。
こうして、前日に思っていたこととは180度変わりました。
今は家庭が最優先だけど、来年もわたしはいます。

最後になりましたが、参加者のみなさん、スポンサーのみなさん、スタッフのみなさん、会場のみなさん、
関わってくださっているすべての方々にお礼申し上げます。
どの方々も心から尊敬しています!

それではみなさま、来年も会場で会えるの楽しみにしてます!


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